院長挨拶

院長 西崎隆文
私は岩国に生まれ、その後宇部に移住して半世紀が過ぎました。山口大学医学部を卒業後、脳神経外科に入局し、大学では主に脳腫瘍の診療に携わりました。准教授を経て2003年に当院に赴任致しました。以来、脳腫瘍、脳動脈瘤、三叉神経痛、顔面けいれん、内視鏡手術、血管吻合などさまざまな手術を手がけ、脳神経外科専門医のほかに、脳卒中外科・脳卒中・頭痛・認知症・神経内視鏡・がん治療・神経生理等の専門医・認定医等の資格を取得しました。
さて私が今、この病院で最も重要と考えているのは「高度な専門治療と急性期医療の両立」と「患者と職員の満足度向上 (CS, ES」」です。最近、サスタナブル (持続可能)と言う言葉をよく耳にします。サスタナブルな病院にするにはどうしたら良いでしょうか。特殊な分野の高度専門治療はもちろんですが、自分たちが社会の中で何を求められているのかを考えた場合、当院がこれまで行ってきた急性期治療の役割は不可欠でありこの病院の大きな存在意義にほかならないと考えています。
当院に赴任してまもなく私は、CS向上委員会の委員長を任されました。恥ずかしながら最初はCSという言葉すら知りませんでしたが、挨拶運動・病院清掃運動などに取り組んで、接遇については、「たとえ見知らぬ人でも、その人の一生の意味や価値は傍には計り知れないものがある」という気持ちで接することが大切であることを学びました。
病院はプロフェッショナル (職人気質)の集まりであり、技術と知識はとても大切です。しかしそれ以上に接遇は、病院やその職員が患者の信頼を得るために重要です。また職員満足度 (ES)向上のためには、お互いをねぎらい、気持ちよく仕事ができる環境を作らなければなりません。太宗の『貞観政要』 (600年頃)に、人の大切な生き方として「銅の鏡」が語られています。常に鏡を見て自分が今、良い表情をしているか確認しなさいというものです。元気で明るく楽しそうに仕事をすれば、周りの人も楽しく仕事ができ、組織は機能します。医療改革やコロナ禍で、当院の置かれている状況は到底楽観視できるものではありません。病院は決して利潤を追求するのが目的ではありませんが、新たな設備投資でより良い医療を提供するのも使命の一つで、経営を安定させてこそ社会に貢献できます。まさに『論語と算盤』『三方よし』(利潤と道徳を調和させる)です。
私には身体の続く限り現場を続けたいという思いがあります。これからは院長職と臨床の二刀流で頑張る所存です。社会の負託に応えられる病院であり続けるため、皆様のご指導とご支援を賜りますよう、どうかよろしくお願いいたします。
病院理念・方針
一、医の倫理と良心に従い、より良い医療の提供と医療安全に努めます。
一、患者さんの生命の尊厳と権利を尊重し、患者満足度の向上に努めます。
一、地域の中核病院として関係する地域医療・福祉機関との連携に努めます。
一、経営の健全化と職員満足度の向上に努めます。
患者さんの権利と責務
当院では、「患者さんの権利」を尊重し、心の通った診療ができるよう努めます。
患者さんをパートナーとして、医療に主体的に、積極的に参加していただくようご協力をお願いします。
患者さんの権利
- 患者さんは、誰でも平等で公正な医療を受けることができます。
- 患者さんは、人間として尊厳が保たれています。
- 患者さんは、病気や検査、治療方針について分かり易く、十分な説明を受けることができます。
- 患者さんは、十分な説明を受け納得された上で、治療方法などを自らの意思で、選択または、拒否するとができます。
- 患者さんは、別の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞きたい場合には申し出ることができます。
- 患者さんは、ご自身の診療における記録などの開示を求めることができます。
- 患者さんは、個人情報やプライバシーは、保護されます。
患者さんの責務
- これまでの病気やケガのこと等、ご自身の健康に関することはできるだけ詳しく教えてください。
- 治療上必要な指示や助言はお守りください。
- すべての患者さんが適切な治療を受けられるように、病院の規則をお守りください。
病院の沿革
年 | 概要 |
---|---|
1953 | 結核診療所「宇部興産サナトリウム」を開設 |
1966 | 「宇部興産中央病院」と改名 |
1981 | 総合病院の承認を取得 |
1990 | 外来棟・西病棟を新装改築 |
1997 | 療養病棟および健診センターを開設 |
1998 | 臓器提供施設に指定 |
2000 | (財)日本医療機能評価機構の認定を取得 |
2003 | 臨床研修病院に指定 療養病棟を増設 |
2004 | 消化器内視鏡センターを拡張 |
2005 | (財)日本医療機能評価機構の認定を更新 |
2006 | 回復期リハビリテーション病棟開設 |
2009 | DPC病院へ移行 DPC病院の告示 |
2010 | (財)日本医療機能評価機構認定証を取得 (Ver.6) |
2011 | 災害派遣医療チーム(DMAT)の指定 ハイケアユニット病床開設(脳卒中センター) |
2012 | ハイケアユニット病床増床 |
2014 | 亜急性期病棟から地域包括ケア病棟へ変更 医療法人化 |
2015 | 地域医療支援病院承認 |
2016 | (財)日本医療機能評価機構(3rdG Ver1.1)の認定を更新 |
2016 | 脳卒中センター増床 |
2017 | 新棟竣工 脳疾患治療センター(旧名称:脳卒中センター)を12床に増床 |
2018 | スポーツ・関節鏡リハビリセンター新設 |
2019 | 新棟4階開設 |
2020 | 病院耐震工事に伴う病棟再編完了 |
歴代・病院長
山内 美義 | 昭和28年 4月 ~ 昭和31年 5月 | |
五十川 和男 | 昭和31年 6月 ~ 昭和58年 5月 | |
渡邊 浩策 | 昭和58年 6月 ~ 平成 8年 5月 | |
鈴木 敞 | 平成 8年 6月 ~ 平成13年 5月 | |
阿美古 征生(院長代行) | 平成13年 6月 ~ 平成13年 9月 | |
篠崎 文彦 | 平成13年10月 ~ 平成18年 3月 | |
阿美古 征生 | 平成18年 4月 ~ 平成21年 3月 | |
福本 陽平 | 平成21年 4月 ~ 平成28年 3月 | |
武藤 正彦 | 平成28年 4月 ~ 平成30年 3月 | |
清水 昭彦 | 平成30年 4月 ~ 令和 4年 3月 | |
西崎 隆文 | 令和 4年 4月 ~ 現在に至る |
概況
ベッド数 | 一般病床 | 384床 |
---|---|---|
患者数 | [外来] [入院] |
432人/日 273人/日 |
診療科数 | ■一般診療科■(20診療科) 外科 脳神経外科 整形外科 産婦人科 耳鼻咽喉科 眼科 麻酔科 放射線科 歯科 歯科口腔外科 泌尿器科 脳神経内科 皮膚科 糖尿病血液内科 総合診療科・内科 消化器内科 循環器内科 リハビリテーション科 呼吸器内科 救急科 ■特殊外来■ 乳腺外来 ストーマ(人工肛門)外来 機能的脳外科外来 男性不妊外来 スポーツ外来 ペースメーカー外来 栄養相談 糖尿病教室 高血圧教室 在宅療養相談 禁煙外来 リンパ浮腫外来 三叉神経痛・顔面けいれん外来 肝臓特別外来 不整脈外来 心不全教室 |
|
従業員数 | 医師 (うち研修医) 看護師 医療技術者 事務その他 |
54名 8名 330名 146名 52名 |
2023/4/1 現在 |
施設認定
学会認定施設
- 日本内科学会認定医制度教育関連病院
- 日本循環器学会専門医研修施設
- 日本神経学会専門医制度教育関連施設
- 日本外科学会外科専門医制度修練施設
- 日本消化器外科学会専門医修練施設
- 日本消化器病学会認定施設
- 日本消化器内視鏡学会指導施設
- 日本肝臓学会認定施設
- 日本呼吸器外科学会指導医制度関連施設
- 日本胸部外科学会関連施設
- 日本乳癌学会関連施設
- 日本脳神経外科学会専門医認定制度指定訓練病院
- 日本脳卒中学会専門医認定制度研修教育病院
- 日本整形外科学会認定医制度研修施設
- 山口県医師会母体保護法指定医師研修機関
- 日本眼科学会専門医制度研修施設
- 日本医学放射線学会専門医修練協力機関
- 日本麻酔科学会麻酔指導病院
- 日本ペインクリニック学会指定研修施設
- 日本泌尿器科学会専門医教育施設
- 日本静脈経腸栄養学会NST稼動施設
- NPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会マンモグラフィ検診施設画像認定施設
- 日本皮膚科学会認定専門医研修施設
機関指定
- 保険医療機関
- 労災保険指定病院
- 母体保護法指定医療機関
- 生活保護指定病院
- 身体障害者福祉法指定医
- 更正医療指定病院
- 結核予防法指定病院
- 育成医療指定病院
- 原子爆弾被爆者医療指定病院
- 救急指定医療機関(二次救急病院)
- 臨床研修指定病院
- 労災保険二次健診指定医療機関
- 小児特定疾患指定医療機関
- 臓器提供施設
- (財)日本医療機能評価機構認定病院
- NCD施設会員
- 地域医療支援病院
病院の特色
宇部興産中央病院は、多くの医療技術提供が必要な急性期入院医療から在宅復帰されるまでのご支援を一貫して提供できる総合病院です。また、病気を予防・早期発見するための「健診センター」も併設しています。

「かかりつけ医」である地域の医療機関と地域連携(患者さんの診療情報の共有化、役割分担)をしながら、地域で患者さんの治療をバックアップしていきます。

「かかりつけ医」である地域の医療機関と地域連携(患者さんの診療情報の共有化、役割分担)をしながら、地域で患者さんの治療をバックアップしていきます。

病院シンボルロゴマーク
医療法人社団 宇部興産中央病院のシンボルロゴマークが決定
2015年10月に当院が「医療法人社団 宇部興産中央病院」になったことを機にシンボルロゴマーク制定に向けて準備してきましたが、院内多数の応募の中から決定しました。
ポスターや配布資料のロゴマークは順次変更いたします。
デザインのコンセプト
宇部(UBE)のUと
興産(KOHSAN)のKOを組み合わせ、
Oの中に宇部市の市木「くすのき」を入れました。
Kの中には当院が結核診療所として開設された年、1953年を記しております。
くすのきの枝は当院の病院方針
「一、医の倫理と良心に従い、より良い医療の提供と医療安全に努めます。」
「一、患者さんの生命の尊厳と権利を尊重し、患者満足度の向上に努めます。」
「一、地域の中核病院として関係する地域医療・福祉機関との連携に努めます。」
「一、経営の健全化と職員満足度の向上に努めます。」
? の4項目に、
「一、全ての人に対しての安心と愛」
を足して、5つの枝に託して、中央に配置いたしました。
くすのきは大樹へと成長するため、神社仏閣でご神木として植樹されており、古代より防虫、鎮痛剤として用いられていました。
シンボルロゴマークには「これからもすくすくと成長して、大きな大樹となるよう前進する」という意味をこめております。