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当科の特色
Feature

  • 当院の手術件数は年々増加しており、多様化、高度化する脳神経外科治療において新しい高度医療を実践し、患者主体のオーダーメイド治療を目指しています。
  • 脳神経外科手術例のみならず脳梗塞に対するt-PA血栓溶解療法など幅広い脳疾患を積極的に治療しています。近隣病院や診療所と連携をとり、脳卒中などの救急患者を24時間態勢で受け入れています。
  • 平成23年4月からハイケアユニット (脳疾患治療センター)が稼働し重症患者の24時間集中管理を行っています。
  • 手術は、ナビゲーションシステム、各種神経生理モニタリングによる高度な脳神経外科手術を行っており、神経近傍、運動領域、言語中枢など特殊領域に発生する脳腫瘍摘出術、脳動脈瘤クリッピング術など、脳機能を温存する低侵襲手術を実践しています。さらに言語領域病変に対する最先端の覚醒下手術も行っています。
  • 脳動脈瘤、血管狭窄に対する血管内治療や、水頭症に対する神経内視鏡手術などの高度な治療を行っています。

脳疾患治療センターの特色
Stroke Center

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの疾患専門チームが高度な医療を提供するための治療室です。
緊急時に備えて、常に専門医が待機していますので、脳疾患の疑いがある患者さんをいつでも受け入れることができます。

  • 新館病棟3F(12床)
  • 24時間モニター設置
  • 看護師常駐
  • センターはナースステーションから常時監視

医師紹介
Doctor

脳神経外科の担当医師の紹介です。クリックして詳細をご覧ください。

副院長・診療科長
西崎 隆文

専門分野

  • 脳腫瘍外科手術
  • 脳血管障害外科手術
  • 難病けいれん・三叉神経病の手術

出身大学・卒業

山口大学 昭和61年卒業

認定医・専門医・指導医

  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳卒中学会専門医
  • 日本がん治療認定医
  • 日本神経内視鏡学会技術認定医
  • 日本認知症学会指導医
  • 日本脳卒中の外科技術指定医

所属学会

  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳卒中の外科学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本癌学会
  • 日本脳腫瘍の外科学会
  • 日本認知症学会

得意とする診療内容

  • 脳腫瘍
  • 脳動脈瘤
  • 神経内視鏡
  • 難病けいれん・三叉神経病の手術

主な業績(論文・著書・学会発表

  • Nishizaki T: Surgical approaches for lateral ventricular trigone meningioma. InTech Meningiomas - Management and Surgery. 126-136, 2012
  • Nishizaki T, et al: Factors determining the outcome of pontine hemorrhage in the absence of surgical intervention. Open J Mod Neurosurg, 2: 17-20, 2012.
部 長
池田 典生

専門分野

  • 脳神経外科全般
  • 脳卒中(くも膜下出血・脳梗塞・脳出血)
  • 脳血管内手術
  • 正常圧水頭症

出身大学・卒業

山口大学 昭和63年卒業

認定医・専門医・指導医

  • 日本脳神経外科学会認定指導医・専門医
  • 日本脳卒中学会評議員
  • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会認定専門医

所属学会

  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳神経血管内治療学会
  • 日本脳神経外科コングレス
  • 日本頸部脳血管治療学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本老年脳神経外科学会
  • 日本脳卒中の外科学会
  • 日本間脳下垂体腫瘍学会

得意とする診療内容

脳卒中の診断・治療と脳血管内手術

主な業績(論文・著書・学会発表)

  • 論文「シロスタゾールが奏功した症候性頭蓋内動脈狭窄症の3例」
    脳卒中34 (3) : 161-165, 2012
  • 「頸部内頸動脈の線維筋性形成異常症に起因したJNET 6(1), 2012 in press
  • 学会発表「線維筋形成不全に起因した左中大脳動脈塞栓症の1例」第37回日本脳卒中学会総会  2012年4月26~28日
  • 「頸部内頸動脈の線維筋性形成異常症に起因した左中大動脈塞栓症の1例
    第11回日本頸部脳血管治療学会 2012年6月1~2日
部 長
出口 誠

専門分野

  • 脳腫瘍の外科治療
  • 脳腫瘍の化学療法
  • 小児脳腫瘍の集学的治療
  • 神経内視鏡手術
  • 脳血管障害の外科治療

出身大学・卒業

山口大学 平成8年卒業

認定医・専門医・指導医

  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本がん治療認定医機構 暫定教育医
  • 身体障がい者福祉法指定医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本神経内視鏡学会技術認定医
  • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
  • 日本体育協会公認スポーツドクター
  • 難病指定医
  • 肢体不自由

所属学会

  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳卒中の外科学会
  • 日本脳神経外科学会
  • 日本がん治療
  • 日本脳腫瘍学会
  • 日本脳腫瘍外科学会
  • 日本脳腫瘍病理学会
  • 日本内視鏡学会
  • 日本間脳下垂体腫瘍学会
  • 日本脳神経外科コングレス

主な業績(論文・著書・学会発表)

  • Ideguchi M, Nishizaki T, Ikeda N, Okamura T, Tanaka Y, Fujii N, Ohno M, Shimabukuro 2, Kimura T, Ikeda E, Suga K A surgical strategy using a fusion image constructed from 11C-methionine PET, 18F-FDG-PET and MRI for glioma with no or minimum contrast enhancement Journal of Neuro-Oncology 2018
  • 出口 誠、西崎隆文、池田典生、中野茂樹、藤井奈津美、田中康恵、大野真知子、島袋太一、岡村知實、真野 忍、岡田誠治、神原 学 後下小脳動脈末梢部動脈瘤の診断におけるthin slab MIP法の有用性 CI 研究 39 (3-4) 2018
  • 出口 誠、西崎隆文、池田典生、中野茂樹、岡村知實、田中康恵、藤井奈津美、大野真知子、島袋太一 Thin-slab MIP法による術前診断が有用であった後下小脳動脈末梢部に発生した多発性脳動脈瘤の1例 脳神経外科 2017年11月号
  • Ideguchi M, Kajiwara K, Yoshikawa K, et al: Avoidance of ischemic complications after resection of a brain lesion based on intraoperative real-time recognition of the vasculature using laser speckle flow imaging. J Neurosurg:1-7, 2016
  • Ideguchi M, Nishizaki T, Ikeda N, Nakano S, Okamura T, Fujii N, et al: Metastatic cerebellar tumor of papillary thyroid carcinoma mimicking cerebellar hemangioblastoma. Springerplus 5:916, 2016
  • Sugimoto K, Ideguchi M, Kajiwara K, et al: Epithelioid/rhabdoid glioblastoma: a highly aggressive subtype of glioblastoma. Brain Tumor Pathol 33:137-146, 2016
  • Ideguchi M, Kajiwara K, Yoshikawa K, et al: MRI findings and pathological features in early-stage glioblastoma. J Neurooncol 123:289-297, 2015
  • Koizumi H, Ideguchi M, et al: Cognitive dysfunction might be improved in association with recovered neuronal viability after intracranial meningioma resection. Brain Res 1574:50-59, 2014
  • Ideguchi M, Kajiwara K, Yoshikawa K, et al: Characteristics of intraoperative abnormal hemodynamics during resection of an intra-fourth ventricular tumor located on the dorsal medulla oblongata. Neurol Med Chir (Tokyo) 53:655-662, 2013
  • Ideguchi M, et al: Cortical region-specific engraftment of embryonic stem cell-derived neural progenitor cells restores axonal sprouting to a subcortical target and achieves motor functional recovery in a mouse model of neonatal hypoxic-ischemic brain injury. Front Cell Neurosci 7:128, 2013
  • Sugimoto K, Ideguchi M, et al: Yolk sac tumor of the bilateral basal ganglia in a patient with Down syndrome. Brain Tumor Pathol 30:247-252, 2013
  • Shinoyama M, Ideguchi M, et al: Cytotoxic T lymphocyte antigen 4 immunogloblin promotes neuronal differentiation in the grafts of embryonic stem cell-derived neural precursor cells. Neuroscience 202:484-491, 2012
  • Inamura A, Ideguchi M, et al: Sphenoid ridge meningioma with increased intracranial pressure caused by venous congestion. Acta Neurochir (Wien) 154:1945-1946, 2012
  • Ideguchi M, Kajiwara K, Yoshikawa K, et al: Continuous hypertension and tachycardia after resection of a hemangioblastoma behind the dorsal medulla oblongata: relationship to sympathetic overactivity at the neurogenic vasomotor center. J Neurosurg 113:369-373, 2010
  • Ideguchi M, Palmer TD, Recht LD, Weimann JM: Murine embryonic stem cell-derived pyramidal neurons integrate into the cerebral cortex and appropriately project axons to subcortical targets. J Neurosci 30:894-904, 2010
  • Ideguchi M, Kajiwara K, Yoshikawa K, et al: Benign fibrous histiocytoma of the skull with increased intracranial pressure caused by cerebral venous sinus occlusion. J Neurosurg 111:504-508, 2009
  • Ideguchi M, et al: Immune or inflammatory response by the host brain suppresses neuronal differentiation of transplanted ES cell-derived neural precursor cells. J Neurosci Res 86:1936-1943, 2008
医 長
藤井 奈津美

専門分野

  • 脳神経外科

出身大学・卒業

山口大学 平成22年卒業

認定医・専門医・指導医

  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
  • 肢体不自由

所属学会

  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳神経血管内治療学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳卒中の外科学会
  • 日本脳神経外科コングレス
  • 日本頭痛学会
  • 日本神経内視鏡学会
  • 日本間脳下垂体腫瘍学会

得意とする診療内容

脳神経外科領域全般を診断から治療まで行っています。

医 師
大野 真知子

専門分野

  • 脳神経外科

出身大学・卒業

山口大学 平成24年卒業

所属学会

  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳神経血管内治療学会

得意とする診療内容

脳神経外科

主な業績(論文・著書・学会発表)

  • 第79回(一社)日本脳神経外科学会 入獄四国支部学術集会『緊急で塞栓術を必要とした左S状静脈洞部硬膜動脈瘻の1例』
医 師
島袋 太一

専門分野

  • 脳神経外科 一般

出身大学・卒業

山口大学 平成27年卒業

所属学会

  • 日本脳神経外科学会

得意とする診療内容

脳神経外科一般

医師教育・施設認定
Education / Certification

研修医、脳神経外科医の皆様へ

  • 当院は山口県内でいち早く脳神経外科を立ち上げた歴史ある病院です。
  • 脳神経外科手術数は年間300を超え、脳腫瘍、脳動脈瘤症例も数多く、県内で有数の脳神経外科施設です。
  • 若い医師のための手術トレーニング用顕微鏡を有しており脳外科医としての研鑽を積むことができます。
  • 症例は多岐にわたり、主に血管内治療、脳梗塞治療、神経内視鏡手術など、さまざまなサブスペシャリティを身につけることができます。
  • 2017年10月に新しい脳神経外科病棟や手術室が完成しました。一緒に働いていただける医師を広く募集しています。

診療内容
Medical Detail

脳腫瘍

髄膜腫、神経鞘腫など良性腫瘍や膠芽腫、転移性脳腫瘍などの悪性脳腫瘍の手術を行っています。

術中ナビゲーションシステムによる適格な腫瘍範囲の同定、運動や視神経など重要な脳領域の手術では、モニタリングによる侵襲の少ない脳腫瘍手術を行っています。また、言語領域の手術では患者と話しをしながら手術を行う覚醒下手術など先進地域を行っています。開頭手術の多くは無剃毛手術を行っています。

下垂体腫瘍

神経内視鏡を用いた経鼻下垂体腫瘍や頭蓋底腫瘍に対する手術を行っています。

くも膜下出血、脳動脈瘤、脳動静脈奇形

脳動脈瘤が破裂しくも膜下出血を起こされた患者さんには救命のために緊急で動脈瘤の処置が必要です。当院では動脈瘤の処置方法として開頭クリッピング術とコイル塞栓術が可能ですが、動脈瘤の位置や形などから適切な方法を判断、選択し治療していきます。また、未破裂脳動脈瘤に対する手術も行っています。

  • 開頭クリッピング術:術中モニタリングにより脳機能に影響の無いよう安全なクリッピング術を実践しています。
  • コイル塞栓術

脳梗塞

24時間体制で頭部CT、頭部MRI検査が可能で発症4.5時間以内の脳梗塞にt-PAによる血栓溶解療法と血管内治療による血管形成術や血栓回収療法など高度な血管内手術を行っています。

またキセノン脳血流検査が可能で、頸部頸動脈狭窄症に対する血管内ステント留置術、頭蓋内主幹動脈狭窄症・閉塞例にバイパス手術や血管内血管形成術を行っています。

脳出血

脳出血を起こされた患者さんで血腫が多い場合は、全身麻酔で開頭血腫除去を行っています。
また、症例によっては局所麻酔下で神経内視鏡を用いて血腫除去を行うなど、侵襲の少ない手術を行っています。

水頭症

中脳水道狭窄症や非交通性水頭症に対して、神経内視鏡による第3脳室開窓術を行っています。また、正常圧水頭症などの病気に対して脳室–腹膣シャント術を行っています。

顔面痙攣、三叉神経痛

血管が脳神経を圧迫することにより脳神経症状が出現します。顔面神経が圧迫されると、自分の意図とは関係なく顔面の片側の筋肉が痙攣してしまいます。三叉神経が圧迫されると刺すような痛みの発作を繰り返します。薬物療法が効く場合もありますが、効かない場合は手術を行います。

外傷

急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫など、外傷による出血は非常に緊急性が高く、当院では24時間体制で手術を行うことができます。

また頭部打撲後、数週間から数か月後に歩行障害、認知障害、片麻痺などの症状が出現し、慢性硬膜下血腫を認めることがあります。慢性硬膜下血腫の患者さんには局所麻酔下で穿頭ドレナージ手術を行っています。

専門医・認定医
Specialist

施設認定

  • 日本脳神経外科学会専門医訓練施設
  • 日本脳卒中学会認定研修教育施設
  • 日本認知症学会専門医教育施設

指導医、専門医

  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳卒中学会専門医
  • 日本認知症学会指導医,専門医
  • 日本血管内治療学会専門医
  • 日本神経内視鏡学会技術認定医
  • 日本がん治療学会認定医
  • 日本頭痛学会専門医
  • 日本脳卒中の外科技術指導医

切らずに治せる頸動脈狭窄症 - 経皮的頸動脈ステント留置術 -

「頸動脈狭窄症」とは頸部(くび)の動脈(血管)が細くなり、脳への十分な血液の供給が出来なくなったり、血管の細い 部分から血栓(血の塊)が脳へ飛んでしまい、脳梗塞を起こす病気です。脳梗塞の原因の約3割を占め、高血圧症、糖尿病、高脂血症をお持ちの方に起こりやすく、動脈硬化が進行して次第に血管が細くなり起こる病気です。

これまでの「頸動脈狭窄症」の治療は、全身麻酔をかけて頸部(くび)を切開し、さらに頸動脈も切開して血管を細くしている病気の部分を切除する「頸動脈内膜剥離術」が主流でしたが、2008年4月より「頸動脈内膜剥離術」による手術の危険性が高い方を対象として「経皮的頸動脈ステント留置術」が日本で保険承認され、これは頸部(くび)を切らずに局所麻酔で行える負担の少ない手術方法です。

対象となるのはご高齢の方や心臓病、腎臓病、肺の病気をお持ちで全身麻酔が難しい方、また反対の頸動脈がすでに詰まっていたり、以前に「頸動脈内膜剥離術」を受けていて再び血管が細くなった方などで、症状別では既に脳梗塞による症状がある方は狭窄率(血管の細さ)が50%以上(正常の血管の半分以下の細さ)、まだ脳梗塞を起こしておらず無症状の方は狭窄率が80%以上(正常の血管の8割以下の細さ)が治療の適応となります。

検査方法は「頸部超音波検査」(図1)と言って頸部(くび)に機械を当てるだけの簡単な方法で、動脈硬化の度合いや血管の細さがすぐにわかります。 また頸部MRA(図2)と言って磁石の力で簡単に頸動脈を検査出来る方法があります。
それらの検査を踏まえて異常が見つかればさらに進んだ造影検査(造影CT、脳血管造影)(図3)が必要となります。

「経皮的頸動脈ステント留置術」の手術方法(図4)は、まず足の付け根に局部麻酔を行い、足の付け根の動脈からカテーテルと言う管を血管に入れて頸動脈までカテーテルを進めます。 そして血管を細くしている病気の部分を一旦バルーン(風船)で拡げて<前拡張>、その後ステント(金属の筒)を留置<ステント留置>し血管を拡げます。 さらに留置したステント内でもう一度バルーン(風船)で拡げて<後拡張>終了となります。手術時間は30分から1時間程度です。負担の少ない手術ですが5~10%程度の危険性があります。詳しい内容は脳神経血管内治療医にご相談下さい。

急性期脳梗塞に対する脳血管内治療

急性期脳梗塞とは:

「急性期」とは症状が出てから数時間の間もない時期を言い、「脳梗塞」とは脳を栄養する動脈に血栓(血の塊)が詰まり脳に障害を起こす病気で、 まず起こる症状はうまく言葉が話せなかったり、片方の手足のしびれや脱力が生じたり、意識がはっきりせず朦朧(もうろう)としているなどがあります。このような症状は脳梗塞の可能性があり、直ちに救急車を呼んで出来るだけ早く病院に行き診断と治療を受ける事が大切です。脳梗塞は症状が出てからいかに早く治療を行うかが後遺症を軽くする上でも大切で、時間がかなり経ってから病院へ行き治療が遅れてしまうと意識障害、片麻痺、言語障害などの重い後遺症が残る可能性があります。

まず第一に行われる治療は:

急性期脳梗塞に対してまず第一に行われる治療は、症状出現から4.5時間以内であれば「アルテプラーゼ静注療法」が行われます。これはアルテプラーゼと言う血栓を溶かす注射薬を静脈から点滴する治療法で、治療の有効性や安全性が確立されています。しかし副作用として脳に出血する事があり、持病や持病のために飲んでいる薬の影響や血液検査で異常があるとこの治療が行えない事があります。また症状出現から4.5時間以上が経ってしまうとこの治療は行えません。

脳血管内治療とは:

最近では「アルテプラーゼ静注療法」が行えない場合やこの治療法が効かなかった場合に「脳血管内治療」が行われる事があります。「脳血管内治療」とはカテーテル(医療用の細い管)を脳の詰まった血管まで進めて、詰まった血の塊を吸い取ったり(血栓吸引療法)(図1~3)、

金属製の細い筒(ステント)で血の塊を回収する方法(ステント型機器による血栓回収療法)(図4~6)で、「脳血管内治療」も症状出現から8時間以内でないと行えず時間制限があります。この治療法は「アルテプラーゼ静注療法」のように有効性や安全性がまだ確立されておらずこれからの治療法ですが、有効な場合もあります。

急性期脳梗塞に対しては症状出現から4.5時間以内であればまず「アルテプラーゼ静注療法」が行われ、4.5時間を過ぎていたり、「アルテプラーゼ静注療法」が効かなかった場合に 症状出現から8時間以内であれば「脳血管内治療」が行われる事があります。いずれにしても脳梗塞を疑わせる症状があれば出来るだけ早く病院に行き診断と治療を受ける事が大切です。

頭を切らずに治せる脳動脈瘤 - 動脈瘤塞栓術 -

脳動脈瘤とは:

「脳動脈瘤」とは脳の血管にコブが出来る病気で、コブが破れると「くも膜下出血」を起こし脳に重大な被害を与え命に差し障る事もあり、大変厄介な病気です。これまでは頭蓋骨を切って手術を行う開頭手術で、「脳動脈瘤」を金属クリップで遮断する「開頭クリッピング術」が主流でしたが、最近では頭蓋骨を切らずに血管の中だけで行う手術、「脳血管内手術」があり、カテーテルと言う細い管を使うためカテーテル手術とも呼ばれます。「脳血管内手術」は頭にメスを入れないので体にかかる負担が少なく、血管の中だけでの操作であるため脳や脳神経に直接影響を及ぼすことがありません。「脳血管内手術」で「脳動脈瘤」を治療する場合、コブを白金コイルで詰める方法(脳動脈瘤塞栓術)を行ないます。 また「脳動脈瘤塞栓術」は「開頭クリッピング術」と比べて劣らない治療であることが近年報告されています。

手術方法は:

通常、足の付け根にある動脈かあるいは肘の内側にある動脈にカテーテル操作を安定させる「シース」と短い管を入れ、その中に「ガイディングカテーテル」と呼ばれる管を首の動脈まで誘導し、この管の中に「マイクロカテーテル」と呼ばれる極細の管を通して脳の血管のコブ(脳動脈瘤)へ到達させ治療を行います。この「シース」、「ガイディングカテーテル」、「マイクロカテーテル」の三段構造で安全な治療が行えます。

脳動脈瘤塞栓術とは:

「コブ(脳動脈瘤)の中に留置した「マイクロカテーテル」(①)からコブの大きさや形に合わせて白金コイルをコブの中に少しずつ詰めて行き(②③)、 最終的に白金コイルでコブの中を満たして血流が入らないようにして(④)破裂を防ぐ方法です。

脳血管内手術の危険性は:

「脳血管内手術」は手術である以上100%安全な治療方法とは言えず、ある程度の危険性があります。全ての「脳動脈瘤」に「脳血管内手術」が 可能となるわけではありませんが有効な手術方法の一つで、脳血管内手術は日本脳神経血管内治療学会が認定した脳血管内治療専門医によって行なわれます。脳血管内手術についての詳しいお話やご質問がございましたら一度脳血管内治療専門医にご相談下さい。

治療
Cure

膠芽腫に対する電場腫瘍治療

はじめに

オプチューン(電場腫瘍治療システム)は、手術や放射線治療、化学療法などの治療後に再発が認められた膠芽腫に使用される治療機器です。
また、2016.12.20に、「成人患者で、すべての可能な摘出手術および放射線治療施行後の治療に適用」と初発患者さんへの適応拡大が承認されました。
[販売名:NovoTTF-100Aシステム 承認番号:22700BZI00010000]

膠芽腫とは

gliomaの中で最も悪性の腫瘍と言われています。出血を伴うことが多く、腫瘍内部に壊死巣が見られることがあります。未分化で増殖能が高く、極めて進行が速い。週数単位で症状が悪化することがあります。
症状としては、急速に増大する腫瘍による頭蓋内亢進症状、嘔吐、初発症状には頭痛が多く、他の脳腫瘍と同様、朝に強い頭痛が見られることが多い。その他、運動麻痺、痙攣、見当識の低下があります。

オプチューンを用いた治療

オプチューンは新しい治療方法の一つで膠芽腫が再発した成人患者に対し用いられます。化学療法と同等の効果を有し、生活の質の向上に寄与します。 持ち運びができる携帯タイプで、頭皮に貼りつけておくだけでよいため、仕事や旅行、家族と過ごす日常生活にあまり影響を与えることなく治療が可能です。

オプチューンは、頭皮に貼る粘着性シートに取り付けられたセラミック製の板を通して、脳内に治療電場を作り出し、急速に増殖を繰り返す再発膠芽腫の細胞分裂を阻害することで、腫瘍細胞を抑えるよう作用します。 波状の交流電場を形成し、脳上部を異方向に動き再発した膠芽腫が細胞分裂するのを抑制・停止させます。電場は急速に分裂する腫瘍細胞に対して影響を与えますが、ゆっくりと分裂する正常細胞にはほとんど影響を与えません。 腫瘍細胞を標的とする局所に限定した非侵襲性の治療法で、化学療法などでみられる吐き気、食欲不振、血球数の減少などの全身性の副作用が少なく体に負担の少ない治療法です。

治療を受けるにあたって

治療前に髪を短くカットし、電気シェーバで剃毛します。この治療による主な副作用は貼付箇所の皮膚炎症です。長時間貼り付付けるため、頭皮ケアを行ってください。
治療効果を得るためには、1日18時間以上、4週間以上の継続的な使用が必要です。
稀に頭痛、脱力、転倒、疲労、筋痙縮、皮膚潰瘍が起こる事があります。これらの症状または他の気になる症状が現れたら、早めに担当医師に相談してください。
自由診療(評価療養)で行うことになるため治療費が高額になります。

当院はノボキュア社認定講習を修了した医師がおり、当院での治療が可能となっております。

オプチューンはノボキュア リミテッドの登録商標です。©2016 Novocure. All rights reserved. Optune and Novocure are trademarks of Novocure.



診療実績

症例

2017年の手術症例数
開頭手術
脳腫瘍 65件 開頭:60件、下垂体腫瘍: 5件
動脈瘤 16件 破裂: 6件、未破裂:40件
脳動静脈奇形 1件
バイパス術 3件
脳出血 25件
脳血管障害その他 5件
外傷 9件
慢性硬膜下血腫 57件
外傷その他 3件
水頭症手術 52件
脳神経減圧術 7件
血管内手術
動脈瘤 36件 破裂:10件、未破裂:26件
脳動静脈奇形 1件
閉塞性脳血管障害 39件 CAS:26件
その他血管内手術 4件

医師教育

本院は、脳神経外科医を希望する後期研修医を広く募集しています。脳神経外科専門医、脳卒中専門医のほか、血管内治療、神経内視鏡手術、頭痛、がん治療、認知症など、幅広い専門医と認定医を育成しています。後期研修医をはじめ脳神経外科医師を積極的に受け入れ、医師育成に力を入れています。研修医は多くの手術に入ることができます。研修プログラムに基づいて、脳神経外科基本手術から高度な顕微鏡手術、血管内手術、神経内視鏡手術など様々な技術を習得できる教育環境が整っています。全国学会、国際学会の発表、論文発表を積極的に行っています。

専門外来、特殊外来

  • 脳腫瘍外来 (水曜日)
  • 血管内治療外来 (金曜日)
  • 顔面けいれん,三叉神経痛などの機能的脳外科外来 (水曜日)

著書、論文 (2005年~)

  1. Nishizaki T, et al: Ruptured ICA-anterior wall aneurysm identified during the period of vasospasm: case report. Neurosurgery 57:811, 2005.
  2. Nishizaki T, et al: The role of Cyberknife radiosurgery/radiotherapy for brain metastases of multiple or large-size tumors. Minimally invasive Neurosurgery 49:203-209, 2006.
  3. Nishizaki T: Clinical application of three-dimensional imaging in cases of brain tumor. Research Trends 2: 105-111, 2006.
  4. 西崎隆文: 中枢神経系原発悪性リンパ腫の臨床と病理. 第24回日本脳腫瘍病理学会教育セミナー 69-80. 2006.
  5. 岡村知實: 第VIII神経血管圧迫症. 診断と血管減圧術. 診断と治療. 診断と治療社 95: 1239-1243, 2007.
  6. 阿美古将 他:後方向き内頸動脈・後交通動脈分岐部動脈瘤に対する彎曲クリップの有用性. 脳神経外科速報 17:220-225, 2007.
  7. 阿美古将 他: 脳幹を巻き込んだreversible posterior leukoencephalopathy syndromeの1例. 脳と神経 60:1080-1081, 2008.
  8. 西崎隆文: 脳卒中の予防戦略 -心原性脳塞栓症-. 月刊地域保健 40-44, 2008.
  9. Abiko M, et al: Endovascular Treatment for Dural Arteriovenous Fistula of the Anterior Condylar Confluence Involving the Anterior Condylar Vein: A Report of Two Cases. Interventional Neuroradiology 313-317, 2008.
  10. Nishizaki T, et al: Occipital inter-hemispheric approach for lateral ventricular trigone meningioma. Acta Neurochir 151: 1717-1721, 2009.
  11. Nishizaki T, et al: Cerebellopontine angle facial schwannoma relapsing towards middle cranial fossa: Case report. Clinics and Practice 2:31, 2011.
  12. Nishizaki T, et al: Successful neuroendoscopic treatment of intraventricular brain abscess rupture. Clinics and Practice. 3:52 2011.
  13. 池田典生 他: 外転神経麻痺にて発症した全身性エリテマトーデスに合併した未破裂内頸動脈瘤の1例. 脳神経外科 40:429-435, 2012.
  14. Nishizaki T, et al: Factors determining the outcome of pontine hemorrhage in the absence of surgical intervention. Open J Mod Neurosurg 2: 17-20, 2012.
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